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1. LINE連携 タッチレスエレベーター呼びサービス

エレベーターごとに用意するLINE公式アカウントを友だち登録することで,利用者個人のスマートフォンでエレベーターの呼び出しと行先階登録が行える「LINE連携タッチレスエレベーター呼びサービス」を発売した。

利用者は,エレベーターホールなどに用意したQRコード(二次元バーコード)を読み込み,利用したいエレベーターを友だち登録し,トーク(メッセージのやり取り)でエレベーターの呼び出しと行先階の登録を行うことで,ボタンに触れることなくエレベーターを利用することが可能である。自宅や職場など,利用機会が多い建物のエレベーターのLINE公式アカウントをあらかじめ友だち登録することで,よりスムーズな利用が可能となる。

ニューノーマルへの対応を検討する中で,より多くの利用者にサービスを提供するアイデアとして,保守契約という管理者向けのサービスに,日本国内で8,600万人以上の月間アクティブユーザーを持つLINEアプリをサービス基盤として組み合わせるに至った。また,LINE株式会社のシステムと株式会社日立ビルシステムの遠隔監視プラットフォームを社外クラウド経由で接続する構成のため,現地のハードウェアの追加や改造なしに,ソフトウェアの改造のみでサービスを提供でき,短期開発を実現した。

[1]LINE連携タッチレスエレベーター呼びサービス画面イメージ [1]LINE連携タッチレスエレベーター呼びサービス画面イメージ

2. サーマルカメラによる発熱者検知・誘導の非接触運用ソリューション

建物のエントランスなどで実施している検温は,現場に常駐する担当者への運用負荷が高く感染のおそれもある。サーマルカメラは,カメラで検出した額部分の温度を赤外線で計測できるため,効率的な検温が可能であるが,無人運用では発熱者の対応ができないといった問題がある。これらの課題を解決するため,サーマルカメラによる発熱者検知・誘導ソリューションは,サーマルカメラとBIVALEモニタリングを組み合わせることで,運用負荷を下げつつ発熱者の遠隔確認を可能としている。

BIVALEモニタリングにはもともとライブ映像監視に加え,アラーム入力時のメール通知と再生用のラベル付けの機能がある。これをサーマルカメラと組み合わせることで,あらかじめ設定した体温の閾値を超えた場合に,離れた場所にいる管理者にメールを送信し,遠隔地からの映像再生で対象者を特定することを可能としている。

その他,コミュニケーションロボット「EMIEW4(エミューフォー)」や「EMIEW-TT(エミューティーティー)」とサーマルカメラを連携させることで,発熱者の誘導や来訪者の簡易問診を非接触で実施でき,建物の運用・管理者の負荷軽減が期待できる。

[2]サーマルカメラによる発熱者検知・誘導ソリューション [2]サーマルカメラによる発熱者検知・誘導ソリューション

3. ビルの新たな価値創出を支えるスマートビルソリューション

ニューノーマルにおけるビルの付加価値創出に向けて,オフィスで働く人に新たな体験価値を提供する就業者向けソリューション「BuilPass」と,ビル設備の稼働情報や人流情報などのセンシングデータを活用し,効率的かつ高度なビル管理を支えるビル向けIoT(Internet of Things)ソリューション「BuilMirai」を開発した。

オフィスビルは今,大きな転換期を迎えている。急速なワークスタイル変化への対応,感染症防止策を考慮した安全・安心な空間の提供,人財・熟練者不足の中でのビル管理品質の維持など,不動産デベロッパーやビル管理会社の課題は多岐にわたる。

今回開発した「BuilPass」では,働く人一人ひとりに寄り添う各種サービスをスマートフォンアプリケーションに集約した。イベント通知・参加登録,入居テナント間の交流促進,周辺飲食店の混雑状況把握・アプリケーションでの注文,非接触での入退室などの機能を提供し,オフィスビルにおける新たな就業シーンを創出していく。

「BuilMirai」では,ビル設備のセンシングデータを一元的に収集・蓄積し,API(Application Programming Interface)によりさまざまなアプリケーションに提供する。ビル設備の稼働状況の可視化による管理の効率化,人流情報を活用したビル設備の快適運転などを実現し,人に優しくより快適で生産性の高い空間提供への貢献をめざす。

[3]日立の考えるスマートビルソリューションの概要 [3]日立の考えるスマートビルソリューションの概要

4. 中国・広州にエレベーター試験塔として世界トップクラスの高さを有する「H1 TOWER」が完成

2020年1月16日,世界トップクラスの高さ※)を有するエレベーター試験塔「H1 TOWER」の竣工式が中国・広州で行われた。

「H1 TOWER」の高さは288.8 m(地上273.8 m,地下15 m)で,エレベーター試験塔としては世界トップクラスの高さを有する。試験塔内部には15本の昇降路があり,総延長は2.2 kmである。その中で最長のものは250 mで,これも世界トップレベルの長さ※)を誇る。「H1 TOWER」では積載量5,000 kg以上の大容量機種や,超高速エレベーター,ダブルデッキエレベーターといった高度な技術を求められるフラッグシップ製品に加え,群管理システムといった制御装置の開発・試験も可能である。

新しく完成した「H1 TOWER」は,日本の「G1TOWER」とともに,日立の昇降機事業における世界戦略を推進し,中国とグローバル市場のニーズに応える重要な役割を果たしていく。

※)
2020年9月時点,日立調べ。

[4]中国・広州のエレベーター試験塔「H1 TOWER」 [4]中国・広州のエレベーター試験塔「H1 TOWER」

5. 機能性・意匠性を高めた新型エスカレーター「TXシリーズ」とエスカレーター用感染症リスク軽減ソリューション

機能性・意匠性を高めた新型エスカレーター「TXシリーズ」の日本市場向けモデルを開発するとともに,TXシリーズをはじめとするエスカレーター用感染症リスク軽減ソリューションを体系化し,新たにハンドレール(手すり)除菌装置などをラインアップに追加した。

今回販売開始する新型エスカレーターTXシリーズは,2017年から販売している中国・アジア・中東市場向けのTXシリーズの基本設計をベースとして日本市場向けに仕様とデザインの最適化を図った製品である。日本市場向けの従来機種「VXシリーズ」の特長である安全・安心機能や省エネルギー機能を継承するとともに,安全利用を喚起するステップ(踏み段)の踏み面を縁取る黄色いデマケーションライン(枠線)や,欄干のデザインを変更するなど機能性・意匠性の充実を図ったモデルとなる。

また,新型コロナウイルスの感染拡大を契機として,エスカレーターの除菌・抗菌,利用時のソーシャルディスタンシングへのニーズが高まっていることを受けて,エスカレーター用感染症リスク軽減ソリューションを体系化するとともに,運転中にハンドレールの除菌を常時行うことができるハンドレール除菌装置とハンドレールクリーナーを新たにラインアップに追加した。

(発売開始時期:2020年9月30日)

[5]新型エスカレーター「TXシリーズ」の外観イメージ [5]新型エスカレーター「TXシリーズ」の外観イメージ

6. シンガポールで大規模な昇降機の受注契約を獲得

[6]シンガポールのHDB地区 [6]シンガポールのHDB地区

シンガポール共和国の住宅開発庁(HDB:Housing & Development Board)とHDB住宅群向けにエレベーターを供給・納入・設置する大規模契約を2019年と2020年に2件続けて締結した。各契約で300基,合計600基のエレベーターを納入することになり,これはシンガポールにおける日立グループのエレベーターおよびエスカレーター事業で過去最大規模の契約となる。600基のエレベーターは,以前の居住区と新規居住区の両方のHDB住宅群に供給・納入・設置される予定である。

これらのエレベーターはシンガポールで設計され,タイで製造される。HDBは国家開発省の法定機関としてシンガポールの公共住宅を管轄しており,現在,国民の最大80%がHDB公共住宅に入居している。新築公共住宅への申し込みはHDBの管轄下で四半期ごとに行われ,低価格で高品質な住居と快適な住環境を多くの国民に提供している。

(日立エレベーターアジア社)

7. 渋谷スクランブルスクエア昇降機納入

[7]渋谷スクランブルスクエアの屋上展望空間に設置された屋外型エスカレーター [7]渋谷スクランブルスクエアの屋上展望空間に設置された屋外型エスカレーター

2019年11月に開業した「渋谷スクランブルスクエア」に,屋外型としては日本一の高さとなる地上約230 mに位置するエスカレーターなど,エレベーター・エスカレーター計76台を納入した。

渋谷スクランブルスクエアは渋谷エリアで最も高い地上高約230 mを誇る,地上47階,地下7階建ての超高層ビルで,日本最大規模の屋上展望空間や駅周辺では最大級となる商業施設,オフィスなどを有している。

建物14階から屋上展望空間の45階まで移動するシャトルエレベーターには,天井内に短焦点のプロジェクターを2台設置し,2台の映像を合成して天井全面に映像を映し出す構造となっている。

エレベーター内には8個のスピーカーを設置し,エレベーターの上昇・下降に合わせて映像と立体音響を制御する演出も行っている。

(株式会社日立ビルシステム)

8. JR山手線 高輪ゲートウェイ駅昇降機納入

1971年以来になるJR山手線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」が2020年3月14日に暫定開業した。同駅は山手線田町駅と品川駅の間に位置し,周辺地区を「グローバルゲートウェイ品川」としてオフィスやホテル,商業施設を含む高層ビル7棟を駅の本開業に合わせて順次完成させ,2024年頃に街開きする予定である。

本駅舎の設計は新国立競技場や渋谷駅で実績のある隈研吾氏が担当し,折り紙を模した大屋根が特徴の駅である。駅全体に木材をはめ込み,エレベーターのかご天井にも木材が使われている。日立は,エレベーター9台,エスカレーター12台の合計21台を一括受注して納入している。また,同駅は新しい技術を導入するショールーム的な存在としても位置づけられており,QRコードを使った自動改札,案内ロボットの配置,無人コンビニエンスストアの開設を予定している。

[8]JR山手線 高輪ゲートウェイ駅建物外観(撮影協力:JR東日本) [8]JR山手線 高輪ゲートウェイ駅建物外観(撮影協力:JR東日本)

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