2021年7月,デザイン主導のデジタルエンジニアリングをリードするGlobalLogic社が日立グループの一員に加わった。同社は2000年に創立されて以来20年以上にわたり,世界各地の企業と協力して,革新的なデジタル製品,プラットフォームを生み出している。
ここでは,デザインと高度なエンジニアリング,データを融合させ,顧客企業のデジタルトランスフォーメーションを成功に導くGlobalLogic社の取り組みについて紹介する。
GlobalLogicはデザイン主導のデジタルエンジニアリングをリードする企業であり,デザインとエンジニアリング,データを相互に活用し,デジタルテクノロジーで何が実現できるかという顧客の構想,そして将来に向けた実際のシステム構築をサポートしている。2000年に創立されて以来20年以上にわたり,世界で最もよく知られているブランドや,急成長中の創造的な企業と協力して,革新的なデジタル製品,プラットフォーム,そして魅力的な体験を生み出している。
GlobalLogicでは,デザインと高度なエンジニアリング,そしてデータを融合させ,DX(デジタルトランスフォーメーション)を成功させたいという顧客の願いを実現するとともに,その過程で新しいビジネスモデルや収益源を創出し,顧客のビジネスを変革していく。
GlobalLogicが提供するサービスは直接目に触れる機会は少ないが,人々の生活に深く関わっている。メールの確認からナビゲーション用の地図,車の運転,買い物,薬局など,さまざまな場面でGlobalLogicの働きを実感できるだろう。
GlobalLogicは,2020年度の実績で年率24%を超える売上成長を続けている。これは顧客に寄り添い,DXの実現に向けて共に歩んでいる証であり,2020年度の顧客取引平均継続年数が10年,売上継続率が114%という事実から見ても,GlobalLogicが顧客から高い信頼を得ていることが分かる。
GlobalLogicは世界14か国に38か所のエンジニアリングセンターと8か所のデザインスタジオを有しており,2万3,000人を超えるデザインとソフトウェアエンジニアリングのプロフェッショナルを擁する。
デザインスタジオは顧客との協創活動の拠点となり,事業ブランドや顧客との関係性の検討から,統合された直感的なサービスの設計まで,魅力的なユーザーエクスペリエンス構築を支援している。
図1│シリコンバレーの創造力を展開するGlobalLogic社のグローバル拠点 GlobalLogic社は世界14か国に38か所のエンジニアリングセンターと8か所のデザインスタジオ,エンジニアをはじめとした約2万3,000人の従業員を擁する。
DXの実現に向けて,GlobalLogicは同社の三つのコンピテンシーである,「エクスペリエンスデザイン」,「高度なエンジニアリング」,「コンテンツ/データエンジニアリング」を提供している。
図2│デザイン・エンジニアリング・データサイエンスの活用による顧客のデジタル化を実現 デザイン・エンジニアリング・データサイエンスの専門知識を統合し,差別化する。
DXは一回限りのものではなく,何年にもわたる旅にたとえられる。そこで,GlobalLogicのような長期的なパートナーを持つことが重要なのである。GlobalLogicは,変革のさまざまなステップを玉ねぎの層のように捉えている。
図3│ソフトウェアの力でビジネス価値を最大化 ブランド&ビジネス戦略,サービス&製品デザイン,技術とR&Dの最適な組み合わせをナビゲートする。
まずは第一層,すなわち中心となる「コア製品」からスタートする。ここでは,企業が最新技術を活用して既存の製品を強化し,その価値を拡大することができる。
第二層 の「デジタルの拡張」では,企業はデジタルプラットフォームやインタフェースを用いて,消費者とのタッチポイントやチャネルをいかに増やすかを検討する。
第三層 の「デジタルサービス」では,企業は実世界にある製品をデジタルで強化し,多様化する顧客のニーズを満たすE2Eのソリューションを提供する。例えば,工具メーカーが建設業界のアセットマネジメント会社をめざすことも可能となるだろう。
第四層では,企業が新たな収益源を生み出すために,「デジタルエコシステム」またはサプライヤ,パートナー,顧客とのインタフェースとなるユニバーサルプラットフォームを構築する。
GlobalLogicの最終的な目標は,顧客の「コア製品」という発想から,顧客独自のデジタルサービスやエコシステムの創出を手助けすることである。これらはGlobalLogicのデザイン,エンジニアリング,そしてLumadaのユースケースとプラットフォームなどの最適な要素によって,迅速かつ効率的に実現することができる。
現状ではなく,あるべき世界の姿に目を向け,顧客と共によりよい社会を支える技術を協創するケイパビリティという点で,GlobalLogicの活動は日立のビジョン「POWERING GOOD」と一致している。
2021年7月,GlobalLogicは日立グループの一員となった。GlobalLogicの協創のアプローチは,日立のLumadaと,そのOTとITソリューションの豊富なポートフォリオを強化していく。
今後はLumadaのポートフォリオを拡大し,顧客の次世代デジタルプラットフォームの活用を支援していく。