日立評論

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東原 敏昭 東原 敏昭
日立製作所 執行役会長 兼 CEO

今日,地球規模の気候変動や自然災害の発生,COVID-19のパンデミックによる消費活動の制約やサプライチェーンの分断など,社会課題が大規模化・複雑化・多様化しています。このような社会課題に対して,製品起点や顧客起点での解決から一歩進めて,将来あるべき社会の実現を見据えた,社会価値起点での解決が強く求められるようになってきています。社会価値を向上させる社会イノベーション事業は,日立一社だけでは実現できません。お客様やパートナー,自治体,地域社会や市民の皆さまと一緒に,社会価値とは何かを常に問いかけながら,社会課題の解決に取り組んでいく必要があると考えています。

日立は,「OT×IT×プロダクト」の強みを最大限に生かし,IoTや社会課題解決のプラットフォームとしてのLumadaを活用したデジタルソリューションを展開してきました。そして,Lumadaのコア技術であるAIは,これまで以上に社会イノベーション事業を推進する重要な役割を担うと考えています。AI技術によって,従来では気づくことのできなかった社会課題の解決方法や,人々の多様な価値観に合わせた革新的なサービスがもたらされるなど,着実に未来社会の可能性が広がっています。一方,サイバーセキュリティのリスク増大や,一部の人がデジタル化の恩恵を享受できないといったデジタル格差の拡大など,新たな課題も生じています。豊かな社会の実現に向けては,AIガバナンスや倫理の観点から,こうしたAI技術の「影」の部分もしっかりと認識しつつ,技術の「光」の価値を人々のウェルビーイング向上のために最大限に活用していくことが重要です。こうした考えから,この度,「社会イノベーション事業におけるAIのガバナンスと倫理」と題した特別増刊号を発刊することといたしました。

日立は1910年の創業以来「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」という企業理念を掲げ,人々のQoL向上のために社会イノベーション事業を推進してきました。社会の課題を解決し,社会の発展に貢献することは日立のDNAであり,社会イノベーション事業を推進する一人ひとりが,社会課題の解決に取り組むことが大切です。QoLの向上には自利よりも利他のマインドが大切であり,だからこそ,私は日立を社会貢献No.1企業にしたいと考えています。また,社会課題解決を自分事として行動する「創造的市民」の皆さまと協創していくためにも,テクノロジーガバナンスや倫理の考えがますます重要になるとともに,組織や産業,地域などの枠を越えて人々の知識を結集し,課題やビジョンを共有しながら「価値の創造」に取り組むことがカギになると思います。今後とも,日立の挑戦をご支援いただきますようお願いいたします。

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