日立評論

建設機械

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Hitachi

日立評論

1. ICT油圧ショベル ZX200X-7/ZX330X-7

[01]ICT油圧ショベル ZX200X-7[01]ICT油圧ショベル ZX200X-7

ICT(Information and Communication Technology)施工ソリューションの中核を担う情報化施工油圧ショベルの新モデルを発売した。独自のマシンコントロール機能を搭載し,国土交通省が推進するi-Constructionに対応するとともに,さまざまな現場でのICT施工の支援を実現する。バケットが目標面に追従しているときに,ブーム動作を自動制御することでアーム操作のみでの施工が可能となり,オペレータの操作負担を低減する。

また,油圧ショベルの上下・左右方向の動作制限エリアを「高さ・深さ」,「旋回角・旋回半径」,「面」の3種でモニター上で設定できるエリアコントロール機能を搭載した。狭所や障害物のある現場で,作業前に機械が動かせるエリアを設定することで,フロントや旋回動作時に設定した境界に近づくにつれて動作スピードを減速・停止し,オペレータの操作を支援する。

(日立建機株式会社)

2. ミニショベル PATブレードマシンコントロールZX40U-5B

[02]ミニショベルPATブレードマシンコントロールZX40U-5B[02]ミニショベルPATブレードマシンコントロールZX40U-5B

小規模舗装工事の整地作業向けにブレードの自動制御に対応したミニショベルであるZX40U-5B PAT(Power Angle Tilt)ブレードマシンコントロールを日本国内向けに発売した。本機は2018年に販売・レンタルを開始したZX35U-5B PATブレードマシンコントロールに搭載された機能を継承している。

主な特徴は以下のとおりである。

  1. 本機能は,自動追尾型のトータルステーションとブレードに取り付けたターゲット(プリズム)と傾斜角センサーから車体の位置とブレードの傾斜角度の情報を得て,あらかじめ車体コントローラに取り込んでおいた3D(Three Dimensions)設計データに従ってPATブレードの動作をリアルタイムで自動制御する。
  2. ZX35U-5B PATブレードマシンコントロールでは,ブレードに取り付けた傾斜角センサーと上部旋回体のブレード制御用コントローラの接続が外部ケーブル接続のため,車体の旋回範囲が限られる技術的課題があった。本機では,接続方法を工夫することで,常時360度の旋回が可能になった。これにより,路盤材搬入後のバケットでの撒き散らし作業など,主にバケットを用いた作業において,使い勝手の向上を図っている。

(日立建機株式会社)

(発売時期:2021年7月)

3. ドローン写真をクラウドで三次元点群化する「Solution Linkage Point Cloud」

「Solution Linkage Point Cloud」は,建設現場で顧客が自社保有しているUAV(Unmanned Aerial Vehicle:ドローン)で現場の空中写真を撮影すれば,クラウド上で三次元点群データを作成できるクラウドサービスである。

国土交通省が推進しているICT施工では,現場の点群データを使って施工土量を計算し,施工状況を管理することが増えている。一方で測量会社などにデータ作成を外注するとコストが高く納品までの時間がかかるほか,専用ソフトウェア・高性能パソコン購入など多大な初期投資を要するという課題がある。このサービスは,顧客が安価で手軽に点群データを作成できるクラウドサービスとして開発した。

使い方は,専用の自動認識対空標識と日立建機推奨のUAVに付属する自動撮影ソフトを使って空中写真を撮影し,クラウドにアップロードする。クラウドサーバはSfM(Structure from Motion:写真測量)の手法を使い,点群データを生成してユーザーにファイルとして返す。作成したファイルを市販の点群処理ソフトで開けば,現場の土量計測や距離計測が可能となり,施工管理にかかる作業を削減できる。

当サービスは,One Hitachiの一環として,株式会社日立ソリューションズと共同で開発している。これから三次元測量やICT施工に取り組む利用者が,その入口として活用できるサービスをめざしていく。

(日立建機株式会社)

[03]クラウドサービスの概要[03]クラウドサービスの概要

4. 土工用振動ローラ ZC120S-6

[04]土工用振動ローラ ZC120S-6[04]土工用振動ローラ ZC120S-6

オフロード法2014年基準に適合した新型土工用振動ローラの日本国内におけるレンタルを2021年4月に開始し,2022年度からの販売を予定している。

斜めに造形したエンジンカバー形状と,運転席窓ガラス接合部のピラーレス化により,運転席からの周囲視認性を確保した。車体後方のカメラ映像を運転席内のモニターで確認できるようにすることで車体後端付近の死角を低減させ,安全性の向上にも配慮している。

運転席内のモニターには,エンジンオイルや作動油などのメンテナンスが必要になるまでの時間表示のほか,操作に不慣れなオペレータを支援するための操作ガイダンスの表示機能,加速度センサーを用いて締固め度合いを表示するコンパクションメーター(オプション),転圧回数を表示するパスカウンターも備えることで,より効率的な転圧作業を可能にしている。

車体後方側が大きく開口するエンジンカバーの機構により,日常的に作業,点検を行う部位は地上からアクセスを可能とし,作業者の負担軽減に配慮している。

(日立建機株式会社)

5. 振動ローラ自律転圧システム

建設業においては,生産労働人口の減少,熟練技能者の高齢化を背景として,省人での生産性向上が課題となっており,自律運転する建設機械の開発に期待が寄せられている。そこで,人と機械が協調し,施工現場全体の安全性と生産性の向上を図る協調安全と,高度な自律運転の両立を実現する協調型建設機械の核となるシステムプラットフォーム「ZCORE」(ズィーコア)の思想を搭載した振動ローラ自律運転システムを開発した。

本自律運転システムは,走行経路ミッションを指示する運行システム,作業履歴をリアルアイムで見える化した転圧進捗管理システムと,施工現場の変化に対応できる「認識・判断・実行」機能で構成される。

自律運転する建設機械の市場は創生期であるため,今後は本自律運転システムを用いて顧客とともに施工現場内での運用方法を追求し,監視デバイスや他の建設機械と協調したシステムへ拡張する計画である。

(日立建機株式会社)

[05]振動ローラ自律転圧システム本体[05]振動ローラ自律転圧システム本体

6. リマニュファクチャリングのための歯車の再利用判定技術

[06]再利用判定の技術開発[06]再利用判定の技術開発

カーボンニュートラルや循環型社会への貢献に向けて,油圧機器をはじめとした「リマニュファクチャリング(再生)」事業を世界規模で展開している。

再生事業を行ううえでの主要な技術課題としては,部品の再利用判定技術と機能復元技術が挙げられる。今回開発の対象とした建設・鉱山機械の歯車は,サイズが大きくコストも高額となるゆえに,再利用化の価値が高い部品の一つである。

国立研究開発法人物質・材料研究機構と共同開発した再利用判定技術では,歯車内部の機械的変化(残留応力比)と組織的変化(残留オーステナイト比)を捉えることで,再利用判定が可能となる。これまで再利用判定が困難であり,想定寿命としてスクラップとしてきた歯車に対し,再利用判定が可能となることで,部品の再利用率向上に伴う資源の有効活用やコスト低減につながり,環境面と経済性を両立できる。

本技術の発想は,歯車以外にも軸受や溶接部位に応用できると期待される。

(日立建機株式会社)

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