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インダストリアルプロダクツ

コネクティブインダストリーズ

1. UPS UNIPARAシリーズ 500 kVA新モデル

UPS(Uninterruptible Power System:無停電電源装置)の市場は成熟しており,性能や機能はほぼ各社横並びの状態にある。現行製品は開発から10年が経過していたため,小型・高密度化とコスト低減に重点を置いて新しい500 kVAのUPSを開発した。

主な特徴は以下のとおりである。

  1. UPS周辺の設備部品をUPS内に取り込み,システム全体での高密度化・コスト低減を実施した。
  2. UPS単体では現行500 kVA機と比較して容量密度を約14%増加することに成功し,小型化を実現した。
  3. 遠隔監視機能「見守りサービス」に対応した。
  4. 盤内の熱流体解析により銅バーを最小化した。
  5. 制御ロジック改良により,出力電圧に含まれる直流成分を検出するリアクトルを削減した。

(株式会社日立インダストリアルプロダクツ)

[01]UPS UNIPARAシリーズ新旧機種の容量密度比較[01]UPS UNIPARAシリーズ新旧機種の容量密度比較

2. 東京駅前常盤橋プロジェクトに伴う銭瓶町ポンプ所の移転

[02]銭瓶町ポンプ所ポンプ室[02]銭瓶町ポンプ所ポンプ室

東京都下水道局銭瓶町ポンプ所は,稼働開始から約50年が経過する老朽化設備であった。本ポンプ所が位置するエリアは,2016年に都市再生特別地区として認定されて以来,東京駅前常盤橋プロジェクトとして再開発事業が進められており,2027年度に街区全体の事業完了を予定している。再開発事業の進捗に伴い2022年3月に銭瓶町ビルディング(D棟)が竣工し,本ビルの地下フロアに新ポンプ所が同年4月より新設移転・共用を開始した。

本ポンプ所の施工上の特徴は以下のとおりである。

  1. 地下機場・東京駅北部の通勤過密エリアであるうえにオリンピック開催時期に工期が重なるといった難工事であったが,資機材の搬出入に使用するタワークレーンの使用時間など,関連各社と日々綿密な工程調整を行い無事故・無災害で竣工した。
  2. 遠方の水再生センターへ長距離送水するため,ウォーターハンマー対策としてフライホイールを設置した。
  3. 流入する汚水量は時間帯により変動することから,ポンプ4台中2台をインバータによる回転速度制御対応とした。

(株式会社日立インダストリアルプロダクツ)

3. エチレンプラント向け既設遠心圧縮機の能増改造事例

[03]羽根車流路トリミングによる風量増加改造を実施した予備ロータ[03]羽根車流路トリミングによる風量増加改造を実施した予備ロータ

マレーシアの石油化学大手企業からエチレンプラント向け既設遠心圧縮機用予備ロータの改造案件を受注し納入した。

本案件は,1992年に日立が納入し約30年間安定稼働を続けていたプロピレン/エチレン圧縮機に対し,プラント増産を目的として圧縮機の風量を増加したいという顧客の要望に対応したものである。既設機器を改造・更新することなく,先行受注した予備ロータの羽根車流路のトリミングのみで所望の風量増加が可能であることを提案して受注した案件であり,顧客に短納期で提供することができた。

エチレンプラント向け遠心圧縮機の能増改造を顧客の価値創造に直結するソリューションの一つであると考え,今後も提案を推進していく。

(株式会社日立インダストリアルプロダクツ)

(改造後運転開始:2021年9月)

4. 給水ポンプユニットのIoT化対応

[04]IoT化対応給水ポンプユニット[04]IoT化対応給水ポンプユニット

給水ポンプは,マンションや工場などで給水や配水のために使用され,市場ではクラウド・通信対応が進められている。この度,給水ポンプの「見える化」に向けて,IoT(Internet of Things)化を実施した。

リアルタイムに稼働状況を把握し,運転周波数・出力電流・吐出圧力をトレンドグラフで可視化することで,状態監視を可能とする。

万が一,機器に警報・故障が発生した場合は,顧客だけではなく,特約店,販売店,株式会社日立産機システムにメールが自動送信される。これにより,必要に応じて顧客に連絡を取ることが可能となり,安心のサポート体制を提供する。

また,保守管理として,運転時間・始動回数・最大電流値・故障状態を確認できる。部品ごとの運転時間を基にメンテナンス推奨時期の到達を自動で通知する機能を有している。部品交換推奨時間に対し,現在の運転時間を表示することで,交換時期を認識しやすくし,計画的な保守が可能である。

(株式会社日立産機システム)

5. 油冷式スクリュー圧縮機Gシリーズ 11/15 kW

[05]新型油冷式スクリュー圧縮機11/15 kW空冷機の外観[05]新型油冷式スクリュー圧縮機11/15 kW空冷機の外観

気候変動の深刻化に伴い,世界的にカーボンニュートラル達成に向けたさまざまな施策が講じられる中,省エネルギー化で環境・社会に貢献できる製品として,新型油冷式スクリュー圧縮機HISCREW Gシリーズ 11/15 kW機の発売を開始した。

この製品の主な特徴は以下のとおりである。

  1. 新歯形搭載エアエンドの開発に加え,圧縮機本体の小型高性能化とモータの低トルク化を実現し,高性能化と永久磁石使用量を低減することで環境対応を両立した。これにより,従来機に対して吐出空気量を約9.3%アップした。
  2. 空気圧縮機用クラウド監視サービス「FitLiveサービス」に標準対応し,使用時のダウンタイム短縮,業務の効率化を可能とした。
  3. 電力使用量を一時的に低減できるピークカット機能や,高周囲温度下で安定的な空気供給を行うヒートセーフティーモードを追加し,ユーザービリティ向上を図った。
  4. DCBL(Brushless Direct Current)コントローラ,DCBLモータ,ファンモータ,ファンインバータ,通信機器にすべて自社製品を採用した。DCBLコントローラは上位出力クラスのコントローラと部品共用化を図った。

今後他の機種でもシリーズ拡充を図っていく。

(株式会社日立産機システム)

(発売時期:2021年12月)

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