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ヘルスケア・分析装置

コネクティブインダストリーズ

1. 医用ソリューションサービスプラットフォームによる医療貢献

医療を支える臨床検査では,検査データの品質向上と検査業務の効率化を実現することが求められている。

株式会社日立ハイテクは,検査室運営の最適化に向けたサービスを提供するための医用ソリューションサービスプラットフォーム(以下,「SSP」と記す。)を開発した。

SSPでは病院検査室の運用情報をクラウドに収集し,検査室を中心とした各ステークホルダーが運用情報を共有して連携することで,付加価値の高いサービスを段階的に提供していく。まずは,検査業務と機器保守の効率化を支援するサービスを開始する。各ステークホルダーは,顧客との協創により開発したクラウド上のアプリケーションを活用して検査業務や機器保守に潜む困りごとを解決することができる。

将来は検査データの品質保証や機器故障の予兆診断など,臨床検査のさらなる高品質化・効率化を実現することで医療の質向上と医療費抑制に貢献する。

(株式会社日立ハイテク)

[01]医用ソリューションサービスプラットフォームのコンセプト[01]医用ソリューションサービスプラットフォームのコンセプト

2. 中型キャピラリーDNAシーケンサー後継機SeqStudio Flex

[02]中型キャピラリーDNAシーケンサーSeqStudio Flex24ch装置本体(左)とキャピラリアレイ(24ch)(右上),キャピラリアレイ(8ch)(右下)[02]中型キャピラリーDNAシーケンサーSeqStudio Flex24ch装置本体(左)とキャピラリアレイ(24ch)(右上),キャピラリアレイ(8ch)(右下)

キャピラリー電気泳動型DNA(Deoxyribonucleic Acid)シーケンサーは,生命の設計図であるDNAの塩基配列や塩基長を解析する装置であり,研究用途に限らず,犯罪捜査のための個人鑑定や医療・健康分野などの応用市場で多様なユーザーが使用する状況になってきており,新たなニーズが高まっている。

これに対応するために,日立ハイテクは,米国Thermo Fisher Scientific社とのコラボレーションにより,SeqStudio Flexを製品化した。本製品は,従来機3500 Genetic Analyzerの分析性能はそのままに,よりユーザーフレンドリーな装置として,主に次の四つの特徴を有する。

  1. 緊急サンプルの優先対応
    測定中でも緊急サンプルの割り込みが可能で,顧客がいつでも好きな時にサンプルを投入することができる。
  2. サンプル設置数増加
    一度に投入できるサンプル数は,従来の2倍(最大1,536サンプル)となった。
  3. 簡易操作
    取り扱いに注意が必要な消耗品であるキャピラリアレイの改良により,簡単かつ安心に交換が可能である。
  4. 省スペース化
    タッチパネルを採用して操作用PCと装置を一体化した。設置スペースは従来比約1/2である。

本装置により,従来機の買い換えを促進するとともに,応用市場での新規顧客を獲得し,事業のさらなる拡大をめざす。

(株式会社日立ハイテク)

3. 微生物を短時間で検出するLumione BL3000

[03]微生物迅速検査装置LumioneBL3000[03]微生物迅速検査装置LumioneBL3000

株式会社日立ハイテクサイエンスの微生物迅速検査装置Lumione BL3000は,ホタルの発光を利用した生物発光法を検出原理として,微生物を培養することなく短時間に検出可能な装置である。例えば,医薬品の製造に使用される水の検査では,従来の培養法では3〜14日かかっていたのに対して,Lumione BL3000では1時間で検出することができ,製薬・飲料・食品・衛生材など微生物管理が必要な産業に幅広く利用されることが期待される。

さらなる市場拡大をめざして前機種よりもハイスループットかつ小型で,前機種比で約1/2のコストパフォーマンスに優れた装置であり,主な特徴は,以下のとおりである。

  1. 1サンプル当たりの発光計測時間を短縮することで,24サンプル/1時間のスループットを実現した(前機種比2倍)。
  2. ダイナミックレンジを 0〜500,000 amolに拡大し,高濃度サンプルに対応した(前機種比2桁アップ)。
  3. 10種類の検量線を保持することでさまざまなサンプル溶液が測定可能となった(前機種比10倍)。
  4. 多点検量線により最適な濃度範囲による検量精度を向上した(前機種比濃度数12倍)。今後は,再生医療など将来発展が期待される新分野への展開をめざす。

(株式会社日立ハイテクサイエンス)

4. UH5200/UH5210分光光度計

[04]UH5200/UH5210分光光度計[04]UH5200/UH5210分光光度計

分光光度計は,光学部材や建材から化学,製薬,食品,環境に至るまで幅広い分野での研究開発や検査に用いられている。紫外可視領域の光学特性を測定する用途において,初心者にも分かりやすく使いやすいスムーズな測定環境を提供する装置として,UH5200分光光度計を製品化した。

本製品は,測定条件のショートカット機能やサンプル名のバーコードリーダ入力機能を搭載し,さらに視認性に優れた新規デザインのグラフィックを採用することで,快適な操作環境を実現している。また,オートサンプラやオートシッパ,微小セルなどの多くのアクセサリ※1)に対応しており,測定の自動化と幅広いアプリケーションへの適用が可能となる。主な特徴は,以下のとおりである。

  1. 用途に合わせたスタンドアロンモデル(UH5200)とPC操作モデル(UH5210)の2モデルを用意した。
  2. 他社にはない10.4型の大型/高解像度液晶を採用した。
  3. 市販の感熱紙プリンタ,A4プリンタに対応可能である※2)

(株式会社日立ハイテクサイエンス)

※1)
別売品
※2)
対応可能な機種は限定される。

5. 膜厚・組成分析のための洗練された蛍光X線分析装置

[05]FT230蛍光X線膜厚計外観[05]FT230蛍光X線膜厚計外観

蛍光X線膜厚計は電子部品や機構部品の高精度な被膜の厚さ/組成分析に長く使われてきた。被膜の厚さ/組成分析は,部品の信頼性確保のみならず,金,プラチナなどの貴金属材料のコスト管理の面からも不可欠なものとなっている。

自動車,航空機,医療,通信などの分野では全数検査の要望が高まっており,それに伴って蛍光X線膜厚計,製造・品質管理担当者の負荷も増大しつつある。蛍光X線膜厚測定のプロセスで最も時間が掛かっているのは測定そのものではなく,部品上で測定部位を探し,測定位置を精密に合わせ,適切な測定条件を設定するといった段取りであることが多い。

日立ハイテクアナリティカルサイエンス社では,画像処理機能と高度な操作アシスト機能を結合したFind My Part機能を実装し,オペレータの判断を強力にサポートすることで操作時間を大幅に短縮することに成功した。これにより,高効率な検査の結果として歩留まりが向上し,エネルギーや資源の消費抑制に貢献していく。

(日立ハイテクアナリティカルサイエンス社)

6. SEM自動データ取得支援機能 EM Flow Creator

情報処理技術の進展に伴い,大量のデータ取得を必要とするデータ駆動型研究開発が半導体,材料,ライフサイエンスの各分野で進められている。試料の微細構造の観察や分析を目的に幅広く活用されている電界放出形電子顕微鏡(FE-SEM:Field Emission-Scanning Electron Microscope)においても,大量データの短時間取得やユーザーの操作負荷の低減が求められている。

今回開発したEM Flow Creatorは,ビジュアルプログラミング技術を採用したSEM(Scanning Electron Microscope)観察レシピの作成・実行ソフトウェアである。SEM観察レシピは,機能リストから必要な機能を選択し,レシピ作成エリアにドラッグ&ドロップで並べ,SEMのパラメータを設定することで一連の自動観察レシピを簡単に作成できる。

簡易操作ユーザーインタフェースの実現によって,多様な観察フローの作成に素早く対応し,安定した連続動作で大量データを取得可能である。本ソフトウェアにより,ユーザーの操作負荷を低減させ,データ取得や解析のさらなる促進が期待される。なお,EM Flow Creatorは,SU8600とSU8700の2機種のFE-SEMへ搭載可能である。

(株式会社日立ハイテク)

[06]EM Flow Creatorの概要[06]EM Flow Creatorの概要

7. 先進的な陽子線座位治療システムの開発

粒子線治療システムでは,陽子線に加え炭素線の活用も進んでおり、多様なニーズが生まれている。日立はこれまで,陽子線および炭素線治療システムの豊富なソリューションをグローバルに展開してきた。

そして,新たなソリューションとして,日立の陽子線治療システムと英国Leo Cancer Care社の座位治療システムを組み合わせた先進的な陽子線治療システムを開発している。

従来の粒子線治療では,通常,患者が治療台に横たわる必要があったが,より日常に近い椅子に座る姿勢での治療を可能とすることで,ワークフローが改善され,治療時間が削減できるとともに,患者の負担軽減が期待できる。また,本システムでは,回転ガントリ室を複数設置する場合よりも治療装置の設置面積が小さく済むため,建屋の容積を抑えるとともに導入費用の低減にもつながる。

[07]回転ガントリ(中央)と座位治療システム(右)を備えた陽子線治療システムのイメージ(左図)とLeo Cancer Care社の座位治療システムのイメージ(右図)[07]回転ガントリ(中央)と座位治療システム(右)を備えた陽子線治療システムのイメージ(左図)とLeo Cancer Care社の座位治療システムのイメージ(右図)

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