1. 360度ステレオビジョン
一般道における自動運転を実現するため,車両の全周囲を3Dセンシングできるマルチカメラによる360度ステレオビジョンのプロトタイプを開発した。
従来のステレオビジョンは同画角で平行する2個のカメラで構成された一体型の構造であった。新たに開発した技術では,異画角,非平行の単眼カメラを組み合わせたステレオビジョンであり,車両周囲に配置した複数のカメラを用いて全周囲の3Dセンシングを可能とした。カメラの配置に自由度を持たせることで既存のカメラを利用することができ,システムコストを抑えつつ,ステレオビジョンが持つ高精度で高分解能な3Dセンシングを実現した。例えば,自車の隣接車線を走行する並走車両や,渋滞時に後方の車列をすり抜けてくる二輪車,交差点右左折時の歩行者や自転車などの対象物までの距離を正確に計測し,衝突を回避するといったアプリケーションに適用することで一般道での自動運転の実現をめざす。
(日立Astemo株式会社)