1. カーボン・クレジットの利便性向上に向けた実証実験への参画
近年,サステナブルな社会の実現に向けて,企業や自治体などによる環境に配慮した活動が生み出す付加価値をカーボン・クレジットなどの金銭価値に変換可能な仕組みが提供されている。
日立は,環境省のJ-クレジット認証・発行におけるデジタル化実証実験に参画し※),日立のサステナブルファイナンスプラットフォームのグリーン・トラッキング・ハブを活用して対象設備のデータ収集・検証・報告を簡易化する基盤(簡易創出基盤)を構築した。これは,IoT(Internet of Things)センサーで計測した発電量を基にCO2削減量の測定・算定をするほか,ブロックチェーン上への記録や,J-クレジット登録簿システムへのデータ連携まで自動的に行うものである。これにより,これまで人手で行っていた認証・発行手続きを簡易化し,J-クレジットの供給量の拡大に貢献する。
また,J-クレジットの認証・発行と東京証券取引所のカーボン・クレジット市場における取引システムの構築を通じて培った知見を基に,今後カーボン・クレジットの発行から流通までを一貫して行うスキームの実現をめざす。
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- 環境省の「令和5年度 J-クレジット制度に関わるデジタル技術活用に向けた調査検討委託業務」の委託事業者であるデロイトトーマツコンサルティング合同会社の協力事業者として参画。