1. 東武鉄道株式会社 新型特急スペーシア X
100系スペーシアの後継車両にふさわしいフラグシップ車両により,沿線の観光需要や価値を向上させ,鉄道の新たな価値を提供すべく,新型特急スペーシア Xを東武鉄道株式会社へ納入し,2023年7月に初号車の運行を開始した。
高意匠かつ多品種少量生産が求められる国内特急車市場において,車両のプラットフォーム化を推進し,3D(Three Dimensions)設計により多車種設計のリードタイム短縮を実現して,難易度の高い車両を効率的に製作した。
車両製作にあたっては価値変化(環境への配慮,旅への価値観の多様化など)を踏まえたサービス/デザインのあり方から,「アップデート」と「コネクト」をコンセプトとし,最新技術[3D設計適用およびDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組み]により,高品質な仕上がりでコンセプトデザインの具現化を実現した。さらに省エネルギー主回路システムの採用など,車両製作〜運用〜車両廃棄までトータルで環境負荷低減に寄与する技術を活用し,環境負荷低減に貢献できる車両製作を実現した。本車両は2023年度グッドデザイン賞を受賞し,今後さらに2編成を製作予定である。