1. デバイスの立体構造化に対応した等方加工エッチング装置
先端半導体デバイスにおいてはGAA(Gate-all-around)構造や3D(Three Dimensions)NAND構造が採用され,立体構造化が進んでいる。これらの製造においては精緻に制御された横方向のエッチング技術(等方加工技術)が必要となるため,この要求に適したDCR(Dry Chemical Removal)モジュールを開発した。
このモジュールは,プラズマとウェーハステージの間に設置されたイオン遮蔽板によりイオンを除去することで,化学反応活性なラジカル(励起した気体)のみをウェーハに輸送することができる。ラジカルは運動方向性を持たないため,横方向のエッチングが可能となる。また,赤外線ランプと静電チャックを有しているため,-5から300℃のウェーハ温度変化を短時間に行うことができ,原子層レベルのラジカル種吸着とエッチング反応を繰り返して行うことで精緻な制御を達成した。
開発したモジュールは2018年に米国企業へ評価機を導入し,2023年に量産適用された。今後も革新的なソリューションをタイムリーに提供し続けるとともに,最先端のモノづくりに貢献していく。
(株式会社日立ハイテク)