環境負荷が少なく大量輸送が可能な交通インフラとして鉄道に期待が集まる中、IoT時代を迎え、鉄道システムの新たな可能性が模索されています。本特集では、次世代モビリティのあり方に触れたうえで、「グローバル」、「サービス」、「イノベーション」という3つのテーマに基づき、最先端の開発技術とそれらを適用した各種システム、世界各地で展開しているプロジェクトの一端を紹介します。
環境負荷が少なく大量輸送が可能な鉄道は,地球温暖化や都市への人口集中の進行などの課題に対応する交通インフラとして期待を集めている。
世界各地で高速鉄道や新たな都市交通の整備計画が打ち出され,世界の鉄道市場も継続的な進展が見込まれる。
振り返ってみると,この3年は,私たち日立の鉄道事業にとって大きな変革の日々でした。英国への本社移転,また,アンサルドブレダ社(現 Hitachi Rail Italy社)の完全子会社化およびアンサルドSTS社株式の過半数の取得を経て,グローバルなオペレーションへと大きく変わりました。
地球の温暖化や都市への人口の集中といった社会的な課題の解決手段として,鉄道への期待はますます高まっており,世界各地で鉄道路線の新設や既存設備のリニューアルが進められています。また,IoT(Internet of Things)技術の進展に伴い,鉄道の分野においても,IoT技術を活用した顧客サービスの向上や業務の効率化も進んできています。
現代の世界的な課題への対応として,環境問題におけるCO2削減や大気汚染防止,都市への人口集中に伴って発生する混雑の緩和や,移動に消費するエネルギーの削減が輸送機関に求められ,鉄道の果たす役割に対する関心が高まっている。