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Abstract

研究開発

研究開発グループの取り組み

持続可能な社会に向けて,カーボンニュートラル,循環型社会への移行,パンデミックや地政学リスクによりバリューチェーンの再構築が進む中,Web3.0やメタバースなどの新たなデジタル技術への期待が高まっている。このような状況の下,日立グループは,データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現して人々の幸せを支えるために,「グリーン」,「デジタル」,「イノベーション」による社会イノベーション事業のさらなる進化をめざして2024中期経営計画を推進している。

研究開発グループにおいては,GX/DXを通じた顧客の次の成長のための価値創生や将来の社会課題を解決するのためのイノベーション創生に注力している。この取り組みは,2018中期経営計画における世界各地での協創拠点開設に続き,2021中期経営計画では国分寺サイトに開設したイノベーション発信拠点「協創の森」を活用した顧客協創の拡大と,コーポレートベンチャリング室設置によるスタートアップ投資・協業を通じたビジネスモデルなどの獲得へと進化させてきている。 2022年度から開始された2024中期経営計画ではこれをさらに加速し,Lumadaを軸にしたデジタルサービス事業の創生と,社会課題解決に向けた破壊的イノベーションの創出を強化する。

デジタルサービス事業の創生においては,顧客の課題の理解から始まり,IT×OT×プロダクトによりOne Hitachiでの顧客価値の創生に取り組んでいる。この実現に向けて,顧客との対話により顧客の将来の課題の洞察を深め,データ駆動により顧客との価値協創を行うことで,イノベーション創出を加速している。『顧客と共に成長するためのイノベーション』にて,各分野における推進状況を紹介する。

社会課題解決に向けた破壊的イノベーション創生においては,2050年の社会課題や顧客課題からバックキャストで取り組むべき課題を設定した。ここでは,イノベーションによるブレークスルー創出に加えて多様なステークホルダーと連携したエコシステムによる解決をめざしている。『将来の社会課題に向けたイノベーション』では,これらの研究開発状況とともに,大学や研究機関との共同ラボにおける取り組みを紹介する。

このように,最先端技術に取り組みながら,未来につながるイノベーション創出を進めており,ここでは,研究開発の最前線とともに,社会課題の解決や顧客への価値提供に向けた技術成果・ソリューションを紹介していく。

顧客と共に成長するためのイノベーション

研究開発グループでは,GX/DXを通じて社会課題・顧客課題を解決し,顧客と共に成長するLumada成長サイクルに基づいたイノベーション創生を推進している。デジタルを活用した顧客協創方法論NEXPERIENCEにより,顧客の新たな成長の姿を共に描き,その成長を実現するイノベーションを提供する。また,Lumada成長サイクルにおいては,事業セグメントや業務の特徴に応じて類型化を進めるとともに,協創を通じて具体化・スケール化に取り組んでいる。

まず,デジタルシステム&サービス分野では,顧客の業務や社会インフラDXによる環境経営の透明化,インフラ管理の革新とセキュリティの強化,業務の自動化・省人化・最適化の実現に向けた取り組みを紹介する。次に,グリーンエナジー&モビリティ,オートモティブ分野では,カーボンニュートラル実現に向けた再生可能エネルギー拡大を支えるエネルギー需給の安定化,鉄道車両の革新と運行効率化,EV向けの高効率な充電インフラ技術の取り組みを紹介する。最後に,コネクティブインダストリーズ分野では,生産現場の最適化と効率化,医薬品開発の革新,スマートシティ・家電向けソリューション,革新プロダクト,材料基盤技術に関する取り組みを紹介する。

将来の社会課題に向けたイノベーション

研究開発グループでは,2024中期経営計画策定にあたり,国際機関,大学,顧客,スタートアップとの議論を重ね,将来の社会課題について探索してきた。この議論を基に,2050年の社会に向けて,社会や顧客にとって重要度が高く,かつ,技術的インパクトの高いテーマのマップを作成した。このマップを俯瞰し,2050年の社会の姿として「環境中立社会」,「現役100年社会」,「デジタルと人・社会の共進化」を定義し,これらの社会の実現に向けたイノベーションテーマを設定した。

例えば,環境中立社会の実現に向けた「Energy Storage & Supply」,「Direct Air Capture」や,現役100年社会の実現に重要となるがん・難治性疾患の克服に向けた「低侵襲がん治療」,「デザイン細胞」,デジタルと人・社会の共進化を支えるデータエコノミー・コンピューティング革新に向けた「シリコン量子コンピューティング」など,大学,スタートアップとのオープンイノベーションエコシステムを構築し,研究開発を進めている。これらの研究を通じて,2050年からのバックキャストによる将来の課題解決に向けた破壊的イノベーションに挑戦している。本章では,その代表的な取り組みについて紹介する。

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