持続可能な社会の実現に向け,限りある資源の保護と再生が世界的な課題となっている。SDGsやSociety 5.0など,社会課題の解決に向けた取り組みがグローバルに加速する中,日立はOT×IT×プロダクトの融合による社会インフラの革新をめざしている。
本号では,水不足や設備の老朽化などの課題に応えながら健全な水環境を実現する,最新のデジタル技術を駆使したさまざまな水環境ソリューションと,限りある資源の持続的な活用と地球環境の保全に欠かせない資源循環・リサイクルの取り組みについて,顧客協創を含めた日立の最新事例を紹介する。
持続可能な社会に向け,有限な資源をいかにして活用していくのか。環境経済学の第一人者であり,資源循環に関する多くの要職を歴任してきた細田衛士教授に,日本の水環境・資源循環経済システム推進に向けた戦略とパートナーシップのあり方を聞いた。
気候変動や水不足,資源の枯渇など,世界はさまざまな課題に直面している。こうした中,国連が掲げるSDGsへの産業界の積極的な関与が期待されている。日立グループのサステナビリティ・環境経営について,社会の持続可能性をさらに高めるうえで欠かせない水環境インフラと資源循環にスポットを当て,それぞれの取り組みについて聞いた。
インドでは水資源そのものの不足に加え,水道管からの漏水が問題となるなど,十分な生活用水の供給が社会課題となっている。これに対し,日立は同国カルナータカ州の水道事業体との協創により,課題解決に取り組んでいる。ここでは,独自の漏水管理ソリューションを用いた実証実験のねらいや成果について紹介する。
自然災害や老朽化への対応,人口減少による収支状況の悪化など,今後,厳しい事業環境が予想される国内の水道事業では,水道法改正を機に民間との連携が加速している。ここでは,日立が北海道函館市企業局より受託した水道設備更新および運転・保全管理業務について,プロジェクトの特徴や今後の展開などについて紹介する。
天然の水資源を持たないシンガポールは,再生水や海水淡水化といったさまざまな手法を駆使して水資源の管理に取り組んでいる。ここではシンガポールにおける水資源開発の歩みと共に,同国を拠点に東南アジア地域で水ソリューション事業を展開する日立アクアテック社の歴史を紹介し,この地域で果たしていく役割について展望する。
水を取り巻くさまざまな課題が顕在化する中,日立は社会イノベーション事業の一環として「水環境ソリューション」事業を推進している。ここではその事業を支える製品・システムやサービス,急速に進展しているデジタル技術の活用事例など,日立の最新の取り組みを紹介する。
世界の物質採取量が増加の一途をたどる中,エネルギーや資源の不足・枯渇が懸念されている。ここでは,日立グループの資源循環の取り組みに焦点を当て,建設機械部品や自動車用電装品の再生,家電および情報通信機器の回収・リサイクルなどの事例を紹介する。